向こう水博士

向こう水博士は、世の中のあらゆるテーマに対し率直に素直で真摯な意見を考える、いわば人生を好転させる福の神のような存在です。宜しくお願いします。

当時、長崎で荒れた中学に転校した、ついていない私の幸福な生活

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私は、中3の夏休みに自分を育ててくれた五島列島の島を離れ、長崎市内にある。市内でも一番素行の悪い中学に転校することが決まっていた。

 

夏の終わりを過ごし、長崎市内に移り誰も知り合いのいないところで、近くにある商店のゲーム機器で百円アーケードゲームをしながら、ダラダラと夏休みを消化していた私は、その頃、週刊雑誌の漫画の中で流行っていた「今日から俺は」にちなんで何か髪型でもいい感じにセットして行こうかなどと考え、近くの理容に金髪にできますか?などと聞いて歩いてまわった。中学生の私には、金額の高さに飽きらめざるをえなく、いつもの髪を立てるスタイルにカットしてもらった。

 

 

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そして、転校初日、購買部で靴やネームを買っていると、いかにもヤンチャな感じの黒く日に焼けたヤンキーがホウキを肩にかけて近寄り睨みをきかしてきた。母は、心配して、「仲良く宜しくね」とフォローを入れる。その場は、特に何もなく過ごし、二階に上がってクラスに入ろうとすると、横で何か大きなクラスに人がいっぱい集まっている。

 

しかも、金髪リーゼントやモヒカンのような髪型、赤髪の学生がギャーギャー言いながらひしめいている。

 

何だったんだろうと思い。教室に戻り、座っているとヤンキーが代わる代わる私を訪ねてくる。「お前、どこの中学から来たとや?」「お前タバコ吸うと?」いちいち一方的な質問を投げかけてはどこかに行ってしまう。迷惑なものだ。

 

 

その後、そのヤンキー達は何が気に食わなかったのか後ろの防火扉を「ドゴーン!ドゴーン!!」と蹴っている。するとクラスの中にいた、まあ、イケてる方のヤンキー。こちらは少しヤンキー風のクラスメイトが近寄って来て、「いつものことやけん気にすんな。よろしくな、さっきSと話していただろう?俺の連れなんだ」

 

とりあえず、その時の少し悪さをするヤンキーの特徴といえばほとんどが決まっていた。それに、他校に喧嘩を売りに行ったりとかも色々あったらしい。

 

 

とにかく、その日から私のスリリングでサスペンスな日々が始まった。何日か経った朝から私は、前の学校でも履いていた当時流行りのボンタンを履いて行った。ちなみに私と同じ日に転校して来て、初日からボンタンを履いて来ていた転校生は顔の形が変わって大変なことになっていた。

 

バスに乗ると、赤髪の前髪と後ろ髪が長い不良が乗っていて、こっちをじっと見ている。「ん?ヤバイのかな」などと思っていると、「こっち来てここ座れや」と言って私がここ何日かバスの中で立っているのを見ていたのか、自分のスペースを空けてくれた。「俺は。Rよろしく。」案外優しく、これから赤髪のRとはバス通学友達になってしまった。

 

すると、バスを降りて来て、すぐに金髪リーゼントの不良が近寄って来て、「お前喧嘩強い?」などと聞いてくる。どういう質問なのだろう?と思っていると、他校に遊びに行くらしい…

 

 

などという形で、毎日が漫画のように過ぎていく。

 

しかし、私は幸福にも天性の柔軟性とフレンドリーさで事も無く過ごし、スリリングでサスペンスな体験をしつつつも楽しい学校生活を送れた。今、思い出すと可愛いものだし、今現在そこまで気合の入った連中も見なくなった。

 

 

彼らと大人になり再開することがあったが、彼らは1つの事業を起こすために各々仕事でお金を稼ぎ、何年か後にまた集結して自分たちの事業を始めたとのことだった。

 

 

今、そのような気合がある若い人たちがどれくらいいるのかは分からないが、面白い逸話である。私も、ある意味では同じ穴の狢。気合を入れて事業を起こすまでに至りたいし、今やっているデザイン業界で少しでも早く目を出せるように悪戦苦闘するつもりである。